ハウスアンサーでは、これまで数多くのマンションの長期修繕計画を作成してきましたが、
分譲当初の積立金の設定金額が低いため、現状の2倍、3倍の増額が必要なケースがほとんどです。
では、どうすれば回避することができるのか?
分譲当初の修繕積立金が低すぎる
分譲当時の修繕積立金の月額金額は、売りやすくするために低額で設定されることが多く、
現実味の無い内容(¥6,000~¥8,000/月)のものが多く見られます。
その為、必然的に大規模修繕時に積立金が大きく不足することが見込まれ、
段階を追って積立金の値上げが必要となる事は、いわば当然の結果と言えます。
では、積立金の値上げをするしか、 または工事実施時に一時金を徴収されるしか、この問題を解決できないのか。
決して、そうではありません!
長期修繕計画とは?
長期修繕計画では、まず、大規模修繕の実施時期と工事の内容、費用を予測し、
必要な修繕積立金の額を算出します。
その上で「増額する金額、回数」「借入の時期と金額」などをどう組み合わせれば、
管理組合にとって実現可能かを検討していきます。
つまり、長期修繕計画は、必要な修繕を実行するための資金計画を立てるものなのです。
長期修繕計画の必要性
「マンションは、コンクリートの堅牢な建物なので修繕は不要」であると考えがちですが、
雨風や直射日光に何年もさらされていれば、いかにコンクリートといえども色々な部分が劣化していきます。
例えば、外壁表面の塗料などの劣化を放置しておけばコンクリートが劣化し、ひび割れが生じます。
その結果専有部分へ雨漏れすることもありますし、劣化が進行すれば建物本体にも重大な影響が生じます。
そのようなことを未然に防止するためにも、長期修繕計画を作成し、計画に沿った適切な修繕を行う必要があります。
長期修繕計画の立案
長期修繕計画は、法定償却期間ではなく、過去の工事例に基づく物理的耐用年数や、美観保持等の観点から作成されています。
そのため、マンションの立地、環境、材質、日常の管理方法などの個別要因によって内容に違いがでてきます。
したがって、各マンションの特性に合わせて、その建物や設備の耐用年数を推定し、それぞれの箇所の修繕周期を定める内容の主な項目としては、下記のものがあります。
1建物、施設、設備の対象部位
2工事の仕様
3修繕周期
4単価数量
5工事推定価格
6修繕実施予定年度
長期修繕の見直し
集建物の施工、環境、使用状況等により修繕周期は変動いたしますので、
実際の修繕実施時期の決定については、事前の調査・診断等による見極めが重要です。
また、工事の実績や経年に伴い、長期修繕計画で設定した修繕項目に加えて新たに修繕項目が発生することや工事費に変動が生じることがあるため、
必要に応じて修繕計画の見直しを行う必要があります。国土交通省が作成したマンション標準管理規約コメントにも次のようなコメントがあります。